倉敷ストーカー殺人未遂事件
事件概要

2013年5月17日午前0時頃、岡山県倉敷市の民家で、住民の女性(当時24歳)が刃物で左胸を刺され重傷を負う事件が起きた。
女性は以前からストーカー被害を警察に相談しており、この日もストーカー行為の加害者の車を発見し、警察に通報し同行してもらいながら帰宅していた。
岡山県警玉島署員は事件の際に、付近を見回り中で叫び声を聞いた署員がすぐに駆け付けたが、一旦は犯人を取り逃がしてしまうが、約20分後に付近のコンビニ付近の路上で、男を殺人未遂の容疑で緊急逮捕した。
男は女性にストーカー行為を行なっていた、広島県福山市のトラック運転手 宮崎大地(当時25歳)であった。
宮崎は玉島署員の問いかけに、「刺しました。」と容疑を認めている。

犯人のトラック運転手 宮崎大地(当時25歳)

 

玉島署によると宮崎は16日午後9時頃、女性宅を訪れ留守を確認し、玄関付近から屋根をよじ登り、2階の無施錠の窓から侵入した。
その後に帰宅した両親や女性に気付かれないよう、女性の部屋の隣室に潜んでいた。
そして女性の部屋の電気が消えてから1時間程待ち、用意していたナイフで刺した。
そして2階から女性を引き摺り落とそうとしたが、もみ合い自分が落ちてしまう。
警戒中の玉島署員が逃走する宮崎を追走したが、すぐに見失ってしまう。
しかし約20分後に近くのコンビニにいると、宮崎が署に連絡してきたため、署員が緊急逮捕する。

犯行が行われた倉敷市の民家

 

 

 

背景

2人は約2年前からの知人で、宮崎は女性に対ししつこく交際を要求していた。
その要求に耐えかねた女性は、5月7日に玉島署にストーカー相談に訪れ、女性は「ストーカーに言い寄られて困ってる。交際を断ったら髪の毛を引っ張られた。」と相談する。
玉島署は相談を受け被害届を提出するよう伝えたが、女性が拒否したため、玉島署は交際をきっぱりと断るように指導する。
女性はその日のうちに、宮崎に連絡を入れ「他に好きな人がいるから、二度と連絡を取り合わないようにしよう。」と伝えた。
宮崎はその話に「わかりました。」と一旦承諾しているようだったので、女性は9日に再度玉島署を訪れ「わかってもらえた」とほっとしている様子だった。
ところが事件直前の5月16日午後10時頃、女性は帰宅中に自宅付近で宮崎所有の軽自動車を発見し、警察に110番通報する。
すぐに警官が駆け付け周囲を警戒したが、宮崎らしき男は見つからず、女性を警護しながら自宅まで送る。
女性を送り届けた後、玉島署は10人体制で周囲を警戒したが、宮崎はすでに女性の自宅に侵入していた。
そして17日午前0時頃、寝床についた女性を持参した刃渡り9cmの折りたたみ式ナイフで刺し、2階から突き落とそうとするが、もみ合いになり自分が落ち逃走する。
逃走する宮崎を警官が発見し追いかけるが、見失ってしまう。
事件より20分後、玉島署に宮崎から電話があり、付近のコンビニにいると聞き、警官がすぐに駆け付けると、コンビニ付近の路上にて宮崎を発見し、逮捕する。
逮捕後、宮崎の供述で「交際を断られて腹が立った。ナイフを持って殺すつもりで行った。」と話した。

 

 

 

▪裁判
2014年2月17日、岡山地裁は殺人未遂の罪に問われた宮崎に対し、裁判長は「計画的とはいえないが強固な殺意がうかがえる。」などとして、懲役10年(求刑20年)の判決を言い渡した。
弁護側は「ナイフは脅すつもりだった。」として、傷害罪の適用を求めた。
しかし裁判長は「宮崎被告は逆手に持ったナイフを少なくとも2回振り下ろした。死亡の危険性が高い行為だ。」と指摘し、弁護側の主張を退けた。